カルチャー

7月1日は『びわ湖の日』。だから・・・琵琶湖に”飛び込み”取材してきた!

【びわ湖の日】

「琵琶湖を守り、大切にしよう」
そんな思いから1981年に制定された『びわ湖の日』。

毎年7月1日の前後には、県内各地で清掃活動が実施されるなど、県民が琵琶湖について考える日となっています。

だけどそもそも、琵琶湖ってどんな場所?

水ってどんな色だっけ。
入ると冷たいのかな? 温かいのかな?
他の生き物たちには琵琶湖はどんな風に見えるのだろう?

考えてみると意外と知らないことばかり。
この機会に琵琶湖についてあらためて学びたいけれど……

「ならいっそ、琵琶湖の水に飛び込んだろか!」

今までありそうでなかった「琵琶湖に入ってみた」企画。
飛び込んでみると、今まで知らなかった琵琶湖の姿が見えてきました。

生き物目線で琵琶湖を見る

センター外観

訪れたのは長浜市にある『湖北野鳥センター』です。
周囲には琵琶湖の原風景が今も残り、ここを訪れるカイツブリやコハクチョウといった水鳥の姿をセンターから観察することができます。

水鳥

今回湖に入るという体験をさせてもらえるきっかけになったのは、所長の植田潤さんのとある提案でした。

所長の植田潤さん

「水鳥たちと同じ目線で琵琶湖を見てほしい」

確かに普段の生活では湖面を見下ろすのが当たり前。
なかなか味わえない視点から何が見えるだろうと、ワクワクしながらセンターを出発しました。

いざ琵琶湖へ

やってきたのはセンター近くにある尾上浜(おのえはま)です。
琵琶湖に入るにあたって着用するウェイダー(胴長靴)の説明に、参加者たちは真剣に耳を傾けています。

説明中

挑戦するのは、琵琶湖の魅力を発信すべく集った『NBC』プロジェクトの若者たち。

NBCとは『NEXT BIWAKO CREATORS』の略。
毎年『びわ湖の日』に向けて県としがトコがタッグを組み、動画や写真で地域の魅力を伝える参加型プロジェクトです。

ウェイダーを着用し終えた若者たちは、カメラを片手に次々と琵琶湖へ飛び込んでいきました!

突入

母なる琵琶湖に抱かれる

陸ではぶかぶかして歩きづらかったウェイダーですが、湖に入ると水圧でぎゅっと体にくっつき歩きやすくなりました。

進む

ウェイダーだからこそ感じられる琵琶湖の圧力。
母なる琵琶湖に抱かれているという感覚を、水着よりもずっと肌で感じられた気がしました。

水温も熱すぎず寒すぎず、初夏の陽射しの下では「もう陸に上がりたくない!」と思えるほど快適でした!

どたばた

「ぎゃー、水が入った!」

若者たちは不慣れなウェイダーに大苦戦。
油断すると胸元から入ってくる水にあちこちから悲鳴が上がります!

中には果敢にも沖合に向かって進むメンバーの姿も。

沖へ

……て、そこまで進むと沈んじゃうよー!

と思わず叫びたくなりますがこの辺りは遠浅となっていて、浜から約600mほど離れても水が胸元より上にくることはありません!

勇気を出して沖へと進むと、普段私たちが目にする琵琶湖とはまた違った姿が見えてきました。

奥琵琶湖

周りは360度、琵琶湖。
ちゃぷちゃぷと水音が響くだけの神秘的な湖北の風景が広がっていました。

箱眼鏡

散策中に「魚を見つけた!」という子も。
奥琵琶湖と呼ばれるこの地域は水がとても澄んでいて、箱眼鏡を使うと水底の砂利や貝殻までくっきりと見えました!

琵琶湖に飛び込んでわかったこと

しかし植田所長は「水がきれいなことは生物たちにとって必ずしもいいことではないんです」と言います。

所長と湖

『びわ湖の日』が誕生したのは1981年のこと。

当時琵琶湖は合成洗剤などによって環境が悪化の一途を辿っており、原因物質である窒素やリンの排出規制などを定めた「琵琶湖条例」が、1980年7月1日に施行されました。

「琵琶湖を守り、大切にしたい」という思いによって翌年、施行日である7月1日が『びわ湖の日』に制定され、県民たちが琵琶湖について考える日が生まれました。

透明

その後の県民の努力や下水処理施設の普及もあり、奥琵琶湖の水もむしろ昔より透明になったそうですが、反対に琵琶湖の生き物たちは徐々に数を減らしています。

原因の一つとされているのが、琵琶湖を守るために設置された下水処理施設。
ここで用いられる塩素が生き物に影響を与えているといわれています。

琵琶湖に飛び込んでみてわかった、新たな視点。

琵琶湖をただ人間にとってきれいに見えるものにするのではなく、そこに住む生き物たちとの折り合いについて考えることが大事なのだと知りました。

7月1日は『びわ湖の日』。

「そもそも琵琶湖ってどんな場所?」と知りたくなったら、湖に足を運んでみませんか?

そこから見える景色を知ることが、琵琶湖を大切にする第一歩になるのかもしれません。

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記事を書いた人
結城弘/滋賀県出身。小説家・ライター。滋賀が舞台として登場する小説『二十世紀電氣目録』『モボモガ』を執筆。趣味は旅行、レトロ建築巡り、ご当地マグネット集め、地酒。noteにて旅ブログなどを更新中。各SNS⇒ X(旧Twitter) Instagram

※この記事は、滋賀県の「びわ湖の日情報発信事業」の一貫で、『しがトコ』が企画・取材を担当し制作しました。

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